あんなところにも？！ギリシア神話に由来する様々な現代のもの
さて、最近ギリシア神話における最高神ゼウスや海神ポセイドン、冥界神ハデスについて紹介してきましたが、「なんとなく聞いたことあるなあ」という名前が出てくることも多いかと思います。
そもそもギリシア神話とは、「神話」という名前の通り、古代ギリシア（ギリシャ）の神々や英雄などが登場する物語です。しかし、神話というとなんとなく小難しそうな印象を受ける人も多いのではないでしょうか。
しかし、意外にも神話、特にギリシア神話に登場する神や英雄の名前は現代の私たちの生活の身近なところに存在しています。今回は、そんなギリシア神話の起源をなんとなくでも流れがわかっていただけるように少し噛み砕いて解説します。
聞いたことある？！現代に潜むギリシア神話の偉人たち
ギリシア神話にちなんだ名前というのは、驚くほど現代の私たちの生活に身近なものとなっています。ゲームやSF作品の中で描かれることはもちろんですが、その他にもギリシア神話の神や英雄に由来する名前を持ったあんなものやこんなものがあるので、見ていきましょう。
誰もが知る豪華客船「タイタニック」
1912年、処女航海中に氷山に衝突し沈没した超大型豪華客船「タイタニック号」は、1997年に映画化され、当時過去最高の興行収入を記録し大ヒットしました。
そんな映画にもなった「タイタニック号」ですが、この名前もギリシア神話からきているのです。この「タイタニック」というのは、実はギリシア神話に登場する巨人の神々「ティタン（タイタン）」が元になったといわれています。
ティタンは、ギリシア神話ではゼウスやポセイドンが台頭するより以前の世界を支配した神々です。しかし、ゼウスが率いるオリュンポス神族との戦いに敗れ、地下に幽閉されてしまいます。
しかしゼウスは全てのティタンを幽閉することはなく、オケアノスとテテュスだけは大河の支配者として地位を与え、その子孫は後にゼウスとの子孫も残すことになります。
スポーツメーカー「NIKE」
「NIKE」といえば、誰もが知るスポーツ・アパレルメーカーですよね。スポーツ用品もさることながら、服やスニーカーなど、ファッションとしても大人気のブランドです。
そんなNIKEですが、これもギリシア神話に登場する勝利の女神「ニケ（NIKE）」に由来します。この「ニケ」を英語読みして「ナイキ」になったんですね。
ニケは、先ほども出てきたティタン族の「パラス」と「ステュクス」の子です。兄弟に「ゼロス（鼓舞）」、「ビア（暴力）」、「クラトス（支配）」を持ち、オリュンポストンの戦いの際はオリュンポス側につき、ゼウスからも賞されました。
そして、ニケといえばルーブル美術館などにも展示されているこの「サモトラケのニケ」像が有名です。
そしてNIKEのこれまた有名すぎるあのトレードマークは、この像の翼の部分をモチーフにしたものだといわれています。
現代の生活とは切っても切れない「電気」
現代で私たちは電気に依存しきって生活しているといっても過言ではありません。そして、この電気を意味する「エレクトリシティ」はギリシア神話に由来しているのです。日本でも、「エレクトリックギター」「エレクトリックダンスミュージック（EDM）」とか馴染みのある言葉です。
この「エレクトリシティ」はギリシア神話に登場する美女「エレクトラ」が元となっています。
古代ギリシャでは、琥珀を布でこすることで静電気が起こることがすでに知られていました。エレクトラは琥珀色の目を持っていたことから、電気を意味する「エレクトリシティ」という言葉が生まれたといわれています。
爽やかに息リフレッシュ。「ミント」
爽やかな香りのする「ミント」はガムや芳香剤の香りなどで生活の中に多くかかわっていますよね。
そんなミントも、由来となったものはギリシア神話に登場します。
以前にも紹介しましたが、冥界の王ハデスは妻ペルセポネに相手をしてもらえず、ついに森の精霊「ミンテ」と浮気をしてしまいます。それに激昂したペルセポネは、ハデスがミンテを見つけられないように踏みつぶして草にしてしまいました。
ミンテは、それでもハデスに気づいてほしかったため、せめてもの自己顕示として爽やかないい香りを放つようになりました。
これが、現在のミントになったといわれています。
ハデスについては過去の記事でも紹介したのでご覧ください↓
みんな大好きコンテンツ「エロ」
中学生ぐらいの年頃になると、多くの人が他の人を性的な目で見るようになります。そしてそれは大人になっても変わることはありません。少なくとも僕はそうです。
そういった「エロ」のコンテンツはネットが普及する今も以前も変わらずコンテンツとして存在しています。
そしてこの「エロ」もギリシア神話に登場する愛の神「エロース」にちなんでいるのです。
「エロース」は恋心と性、そして愛を司る神で、エロスは世界の始まりから存在した原初神です。これについては諸説ありますが、神といえど子孫を残すには性交が必要なので、性や愛を司るエロースは原初神だという説が有力でもあります。
エロースは、始めは同じく「愛」という意味を持つクピドやアモールなどとともに髭の生えた男らしい姿で描かれていますが、後に小天使や少年の姿で描かれることが多くなります。これがいわゆる「キューピッド」ですね。
ちなみに、エロースの象徴は弓矢と松明とされておりますが、もうケースがケースなだけに、なんだかそういった変な意味にしか捉えられません。
他にも様々なギリシア神話由来の名前が存在する
今回は書ききれませんが、他にも
などなど、挙げだしたらキリがないほど存在しています。それでなくともギリシア神話はゲームやSFに登場することが多いので、聞いたことのあるような名前がたくさん出てくるのは当然かもしれませんね。
さて、「神話」と聞いて少し敬遠していた方々も、ギリシア神話を少しでも身近に感じていただけたでしょうか。他にどんなものがあるかなど気になった方はぜひ調べてみてくださいね。
