【思考実験】ひよこを粉砕すると何が失われるか?【閲覧注意】
久しぶりの思考実験シリーズです。
今回は
『ポール・ワイスの思考実験』
というものを扱っていきます。
この先は少々過激な内容になりますので、閲覧注意です。
突然の雑コラすみません。笑
どのような問題か、簡単に説明します。
ポール・ワイスの思考実験
試験管の中に、生きたヒヨコを入れます。
そして、そのヒヨコを粉砕すると、ヒヨコの何が失われるでしょうか。
この思考実験は、問題文自体はとてもシンプルです。
原子レベルで見ると、ヒヨコは粉砕されても物質的には全く同じです。
では、このふたつの具体的な違いとは?
という問題です。
この思考実験は、一時期界隈でも話題になっていましたね。
ネットユーザーは、主に以下のような回答を寄せていました。
- ヒヨコの命
- 人間としての理性
- ヒヨコとしての形
- 労力
- 道徳心
などです。
う~ん。
確かにヒヨコの命は奪われていますが、物質的には何も変わらないので個人的にはなんだか釈然としません。
人間としての理性はまあ確かに失っているでしょうが、この回答は題意には沿いませんね。道徳心も同じく。
労力に関しては題意にも沿わないし屁理屈だと思います。笑
そう考えるとこの意見の中では「ヒヨコとしての形」が一番自分的にはしっくりきます。
しかしここで考えてみましょう。
「ヒヨコ」と定義しているのは人間であって、あくまで人間が「これはヒヨコである」と判断しているわけです。
一目見ただけで目の前のものを構成する物質を全て知ることが出来る人間よりも高次元の存在がいたとします。
その存在は、すりつぶされた後のヒヨコを見て
「これはヒヨコを構成する物質だ。よってこれはヒヨコだ」
と判断するかもしれなくないですか?
そうなるとその「高次元の存在」さんにとってはヒヨコとしての形なんてどうでもよくて、物質がすべてであるかもしれません。
形は違えどヒヨコはヒヨコである、と。
ちょっとぶっとんだ話をしてしまいましたね。
まあ思考実験って答えという答えは無いですしこんなものです。たぶん。
一応、ポール・ワイス本人が結論を出しています。
当思考実験の論点は、ホモジナイズの前後では明確に何かが失われているにも関わらず、物質的には何も失われていない点にある。
この点についてワイスは、ホモジナイズにより失われたものは生物学的組織 (Biological organization) と定義している。
また、生物学的組織が失われたことにより生物学的機能も失われていることから、この両者は生物において不可分であることが明示されている。
このことから、ポール・ワイスの思考実験は細胞生物学における還元主義の限界を提示したものの1つであると言われている。
※Wikipediaより引用です
まあつまりは、
物質としては同じでも、生物たり得る組織「生物学的組織」を失っているよ、と。
そんな感じでしょうか。
なるほどこれは先ほどの僕の意見に出てきた「高次元の存在」さんも少しは納得してくれたでしょうか。
この問題、扱われているのがかわいいヒヨコさんだからインパクトもあり話題になりました。
しかし、このヒヨコが養豚場の豚だったら?魚だったら?
はたまた無機質なただの物質だったら?
もっと別な意見がたくさん出てきそうですよね。
皆さんはどう考えましたか?